第54回 合唱祭 2012.6.3

第54回 合唱祭 2012.6.3

第54回合唱祭出演への思い


副指揮者  岩永 崇史

「アカ団サウンドの広がりを求めて」私は指揮させて頂くことが決まり、どのような楽曲がアカ団の響きを充実させることが出来るかを第一に考え、選曲させて頂きました。

アカ団のマネジメントは充実しており、指揮者の意見のみで運営するのではなく、選曲委員会を経て、音楽マネジメントが成立しており、運営マネジメント(役員会)で、本番当日までの流れを作り、毎週水曜日の練習で団員と共に楽曲作りに専念する組織体。

毎週の練習に60名前後が集まるという、音楽づくりが大きな仕事の指揮者としては非常に安心して練習ができる魅力的な合唱団。

第54回合唱祭を指揮させて頂くことが決まり、3曲が決定し、私は「愛の歌」が共通して描かれていることに注目しました。

それは、男女愛、自然への愛、歴史への愛、友情の愛、など様々な愛。男声合唱のppからffまでの幅広い揺さぶりを一音一音に込め、ポリフォニーからホモフォニーへ変わった瞬間の力強いハーモニーが3曲と共に演奏されることを期待しています。

いよいよ本番当日。長崎市公会堂の隅々に、お客様と共に、今ここに生きている、生かされていることへの感謝の気持ちを込めて、アカ団サウンドをお腹いっぱい楽しみましょう。

Sul Ponte di Bassano 「バッサーノの橋の上で」

アルピーニ橋。
この橋は16世紀に活躍した建築家アンドレア・パッラーディオの設計。この橋の屋根の下には、町の歴史と、過去の記憶と、同胞を思う気持ちと、いつの世も変わらず存在した希望が交錯する。
バッサーノは遥か昔から、橋を挟んだ両側で対立陣営がにらみ合う場所。第一次世界大戦でも激戦であった。支配者エッツェリーニ家と近隣の都市の領主達、ヴェネッィア軍とナポレオン軍、ファシストとレジスタンスの兵士。黒い羽根を帽子につけたアルプス歩兵隊の像をみると、イタリア国民としての責任を感じる。
美しいメロディーと繊細なハーモニーが印象的。

「母なるヴォルガを下りて」

スヴェーシニコフによってロシア聖歌を思わせる重厚な響きの作品。
ロシアの農民暴動の指導者ステパン・ラージンのことを歌った長編叙事詩の冒頭部分が民謡化したもの。各パートで追いかけるようにしてメロディーが繰り返される。大河と共に生活してきたロシア人の熱き想いと、広がりが表現されている。

Shenandoah「シェナンドー」

19世紀始め頃から歌われるアメリカ民謡。
ヴァージニア州周辺で川を行き来する貿易船の舟歌(river chantey)として歌われていた。歌詞には様々なバリエーションが存在する。 シェナンドー河を歌ったものや、ネイティブアメリカン(インディアン)の酋長の娘に恋をした貿易商が片思いのまま去っていくストーリー(または娘を奪っていく)など。
メロディーがとても美しく、ソロとの掛け合いは、自然との共生と争いを繰り返しながらも命を大切にしてきた証が表現されているように感じる。

時   平成24年 6月3日(日)  開場 9:40   開演 10:00
場所  長崎市公会堂
(40番) 長崎アカデミー男声合唱団

[指揮] 岩永崇史
[ピアノ]  森 愛子

・ Sul ponte di Bassano    作曲 イタリア民謡   編曲 C.リッフェーロ
・ 母なるヴォルガを下りて   作曲 ロシア民謡  編曲  スヴェシニコフ/藤井凡大
・Shenandoah   作詞 アメリカン・シーシャンティー  作曲 シーシャンティー  作曲 シーシャンテ